教師をやめた人に質問:これは自分向きの仕事じゃないと気付いた瞬間を教えて

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海外掲示板に投稿された、元教師が教職をやめるきっかけになった体験談をまとめました。

翻訳元:Teachers who quit, when was the moment you realized that it wasn’t for you? (教師をやめた人に質問、これは自分向きの仕事じゃないと気付いた瞬間を教えて)|reddit.com

1.

自分じゃなくて妻の話。彼女は東海岸にある優良企業のエンジニアだった。それを辞めたのは、もっとやりがいのある仕事を求めたからだ。
そのすぐ後、彼女は故郷の荒れた地区にある学校で臨床実習をやった。早くに出勤し、子どもたちとランチを食べ、残業し、保護者をフォローする、そんな教育実習生みたいなものだった。
数ヶ月が立つ内に、彼女は数人の生徒と繰り返しトラブルを抱えるようになっていた(その子たちは問題のある家庭出身で、毎日その多くの問題をクラスに持ち込んでいた)。彼女は生徒ひとりひとり、学校側、保護者とそれぞれ向き合おうとしたが、「電話するな」と言ってきた親は一組では済まなかった。そして学校側はその子たちの事は校長室(生徒が一日中座らされるところ)に送って、『良い子』たちに集中するように言った。
やがて、虚しさを感じはじめた…気にしていたのは彼女だけだったんだ。生徒、学校陣営、他の教師、生徒の親たちですら気にしてない。2年間サポートなしの職場で、誰からも(もちろん僕を除いて!)感謝されず、彼女はついに消耗しきってしまった。
今は航空宇宙産業の仕事に戻ってるよ。

2.

最初に受け持った高校であったこと

・爆破予告20回以上。その度に(大都市のど真ん中においては最多と言えるほどの量の)高い木々に囲まれたフットボールスタジアムに避難しなければいけなかったが、4000人もの子供を危険から遠ざける為に連れていくのには馬鹿げた場所に思えて憂鬱だった

・そのうち2度の爆破予告は、12人の常駐警官を必要とする喧嘩の勃発を招いた

・二人の教師が生徒から襲撃され、一人は鉄パイプで顎と眼窩の骨を折られた。もう一人は、殺して墓を汚してやると脅迫された後、その生徒のハンドバッグからブッチャーナイフが発見された

・そのナイフを発見した教師(脅された本人)は2~3週間後、オフィスでのミーティングに呼び出された。会議室に足を踏み入れた彼女は(驚いた事に)それが自分を脅した本人を交え、どうやって両者の折り合いをつけ、かつ女子生徒をクラスに戻すかを話し合う為のミーティングだという事に気が付いた

・実際に警察が呼ばれ、催涙ガスが必要となった暴動が2件起きた

・2年間で9人目の指揮者になったが、1年務めあげたのは5年の間で自分が初めてだった

・6人いる教頭の一人だったが、卒業式でバンド演奏させる代わりにテープを流したという理由で、校長にきついお叱りを受けた。部員18人のうち6人が卒業生であり、あとの12人のうち5人は卒業式を前にして停学もしくは退学処分を受け、7人の生徒達は卒業式の行進曲が演奏出来なかった。特にメロディを奏でるのに残された唯一の人物は言葉を理解できず、トランペットの演奏もできないという英語が第二言語のトランペット奏者で、他に行き場がなかった為に部員になった生徒だった

まあそんな愉快な感じでね……その後2年目には違う州へ転居し、中学校で教鞭を取る事に

・後ろから自分の頭を数学の教科書で叩こうとしてきた女子生徒に居残りをさせたら、親から電話が掛かってきて怒鳴られた。そしてその怒った親とミーティングしなければいけなくなったという理由で校長からも怒鳴られた

・ある怒った親が校長に怒鳴り込んだせいで、ミーティングでまた怒鳴られる羽目になった。理由は、自分の受け持つ教室のひとつがめちゃくちゃになっていたが(コンサートの為にみんなで荷物を講堂に移動している間に、誰かがクローゼットから箱を取り出してピーナッツの袋を部屋中に撒き散らした)誰がやったか白状しなかったので全員に片付けさせたから

・他の生徒の腕に、くっきりと歯型がつくほど強く噛み付いた生徒がいた。その生徒の名前を大声で呼ぶと、まだ口に腕を咥えたままこっちを見上げてきたので、放すように言い聞かせないといけなかった。その子は昼休みを一回居残り処分となり、もう一人の子の腕には何週間もひどい痣が残ってた

・何人かの優秀な教え子たちは資格があったので、オールカウンティバンドに行くことになった。しかし自分はその一週間前に身内に不幸があった為、帰郷しないといけなくなった。その子達が向かう先には監督する為の指揮者が7~8人はいて、更に友人である別の指揮者がうちの生徒の責任を持つという確認書があったにも関わらず、たった10分間バスに同乗してくれる人間がいなかったという理由で行くのを阻止されていた事を、戻った時に知った。

他にも沢山あるが周囲を見回した時、自分は教える事が好きだし得意だと思う一方で、学校は訴えられないようにする事しか頭になく、親は煩わされたくないとしか思っていないのに、上昇志向も改善しようという動機もなく、ハードワークに対する見返りも得られない仕事で一体どうしようっていうんだ?ってなって(やめる事を)決断した。

自分は革新的でクリエイティブなタイプの人間だから、魂がゆっくりと押しつぶされていくのがわかったんだ。それは自分という人間を確実に変えたし、後悔している事だ。

3.

この国で最悪レベルとされる学校のひとつで教師をしてた。その高校の卒業率は48パーセント。私が教えていたのは初等レベルだけどね。ネタはいーっぱいあるわ。

机を乗り越えて同僚の首を絞めようとした幼稚園児、叫びながら椅子を投げまくる子供たち、タバコを押し付けられた痕が体中にある子。
虐待のケースは凄まじかった。ある母親は、息子に靴下をあげたからといって私を殺すと脅してきた。その子は同じ靴下を一年中履いてた。

でもある日、6歳の女の子が私に言った。彼女とその姉妹たちは物心ついた頃からずっと、毎晩男たちに売られていると。その日、私の中の何かが壊れたんだと思う。取るべき行動(警察、DFACSに連絡する等)について議論する為に校長のところへ行くと、彼女は私に黙っていて欲しいと言った。自分の学校が「悪く見られる」事にうんざりしていたのだ。

追記:あまりに多くの人が訊いてきたので。私は即座に警察とDFACSに連絡したわ。その後校長は麻薬絡みの犯罪で捕まった。その時には既に私は辞めてたけどね。

4.

私は特別支援学級で働いてた。叩かれる、殴られる、引っかかれる、ツバを吐かれるなんていうのは日常茶飯事だったけど、それでも毎日職場へ戻って子どもたちのためにベストを尽くした。私があまりにボコボコにされてアザだらけだったので、夫は私ともう買い物に行こうとはしなかった。ジロジロ見られたり、時には夫が私を虐待しているんじゃないかって言ってくる人までいたから。

ある日、話があるとオフィスに呼び出された。クリスマスシーズンで、家庭はあまりうまく行っているとは言えず、ご存知の通りその時期の子供は特に興奮しやすく、教室も大変な事になっていた。

「あなた、すごくストレスが溜まってるみたいね」と上司は言った。
気付いてくれたなんてすごく良い人だと思ったので、葛藤している事を認めた。
彼女は「6週間あげるからその間に解決して。じゃなきゃあなたを辞めさせなくちゃいけなくなるわ」と言った。

私は打ちのめされた。文字通り壊れてしまったの。ストレスのない6週間……これがどういう作用を齎すと思う?私はただ姿を見せる為だけに出勤している事に気が付き、その状態は自分にとっても生徒たちにとってもフェアじゃないと悟った。

6週間後、オフィスにまた呼ばれた。目覚ましい改善を祝われ、教室に送り返された。私は困惑した。これまでで一番動揺し、ストレスを感じていたのに、それを祝われるって??
更に給料の為だけに出勤するようになって行った。
ある日、私はもう教師じゃない、ネガティブな感情を表に出す事を恐れてるただのロボットだ、もういいやって思ったの。その週のうちに辞めて、二度と教職には戻らなかった。

5.

会社勤めの仕事が、3倍の給与と12%の年次賞与を提示してきた時。
金銭的に、うちの子供達は父親がかつて教えていた大学に通う事ができるようになった。

6.

向かい同士に座った(U字型の席だった)16歳の生徒二人が、授業中に静かに喧嘩を売り合っていた。二人は突然勢い良く立ち上がり、自分を挟んで8インチのナイフを突きつけ合った。
大学時代は自活の足しにする為に石工の弟子をやっていたし、かなり鍛えられている方ではあったが、その生徒たちは自分よりもデカかった。俺は何も考えずにそいつらの襟を掴み、「座れ」と大声で行った。
夕方になってから震えが来た。1週間後に辞めた。

7.

夢の中でさえ授業から逃れられないって事に気付いた時。毎晩その悪夢にうなされるくらい、自分の生活は教師の仕事を中心に回っていた。
頻脈になった後は、胸に痛みが走った─私の心臓は絶えず頻脈を起こしては完全に止まる、を繰り返していた。
感謝祭の最後の休みの日、学校に行きたくなくて毎日泣いている事に、私はついに気が付いた。授業から逃げ出す為に自殺を計画するほどまでに落ち込んでいたけど、教師をやめるだけで自分の人生は良くなるはずだと考えたの─例えミレニアル世代の失業率を増やす事になろうとね。
15ヶ月続けた。この状況で唯一ちょっと気分がマシになったのは、私と入れ替えで入った元警官(私が教師をしていた町の巡査だった)は3ヶ月しか続かなかったってところね。

8.

そこにはバランスがあるはずだ。完全に権威主義者の目線で、何でもないことで子どもたちを怒鳴りつける教師を大勢知ってる。

鉛筆を床に落とした?ふざけてたからだろう。おやつはナシだ、ってね。

それに、妹をからかうのは行動障害児だからに違いないっていう理由で傷害給付金を得ようとして、子供と先生に対して金切り声をあげるおかしな親もいる。とても良い子たちなのに。


日本でも学級崩壊が叫ばれて久しいですが、同様の問題を抱えている国は多いようです。
教師、親、学校という仕組みそのもの…全てがうまく噛み合うようにするのがいかに難しい事か考えさせられます。

外部記事 ここまで深刻化! 小学校高学年の学級崩壊の驚くべき実態とは?|mamatenna
外部記事 アメリカの学校と学級崩壊 |学研出版サイト
外部記事 At least 35 pupils a day being expelled for bad behaviour |dailymail.co.uk

 

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