発展途上国に住む人達に質問:あなたの日常生活で先進国の人々が理解、または対応出来ないだろう事って何かある?

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海外掲示板redditで話題になっていた、発展途上国での生活に関する質問についてまとめました。

翻訳元:People living in third world countries, what is something that is a part of your everyday life that people in first world countries would not understand / cope with?|reddit.com

1. 防犯システム必須

家中に大量の防犯システムを設置してること。
全ての窓に防犯用の鉄格子を、正面玄関のトレリスドアはベッドルームの廊下にも1枚いるかも。ドアはしっかり施錠しておくこと。
フェンスを設置してないってことは、どうぞ家に押し入って殺して下さいって言ってるようなもん。南アフリカ。

2. 腐敗

腐敗の度合いだな。

何か単純な――パスポートを取るとか、高校の卒業証書の複製が欲しいとか、そういう用事を済ませたいと考えたとする。そういうのは全て政府が扱っていて正直飽和状態なもんだから、何ヶ月、場合によると何年も時間が掛かる事もある……少額の賄賂を渡さない限りは。渡せばすぐにやってくれる。

発展途上国という言葉が意味するのは貧困ではない。不平等だ。
富裕層は何もかも持っていて、アメリカと変わらない暮らしをしている。しかし貧困層は……君たち先進国の人が悪夢に見るよりも貧しい。アメリカで最底辺の乞食を見て、いつかあれくらいリッチになれたらいいなと夢見る、それが発展途上国の貧困層だ。彼らは様々な物事から疎外されているのに、それを誰も気にしていない。

おかしな事に、そういった発展途上国の多くが福祉の取り組みに大金を投じているわけだが、うまく行った試しがなく、それどころか政治家の所有する民間企業に金を流すとか、票を思い通りに動かす為などに使われている。
何週間で一食しか満足に食べられないなんて事もある人たちは、一回の食事と引き換えに票を売る。
権力者は不平等を求める。その方が貧者を簡単に(それに安く)操れるからだ。
発展途上国とは『貧しい国』を意味するのではない。『不平等な国』を意味する言葉だ。

3. 住所が存在しない国

アメリカ人だけど、ここ12年強の間に70カ国以上で働いてきた。そんなわけで、ニカラグアについて語ろうじゃないか。

あそこには住所というものがない。まったく。

ホテルに行こうとしてるって?
日の出る方か沈む方か、湖畔やその他の主要なランドマークがあれば(ないこともある!)それを利用した、ざっくりとした位置方向を教えて貰えるだろう。そして、そのランドマークからの距離を示すのに使われる測量単位は、何世紀も使用されていないものだったりする(1ヴァラ=約2.5フィート)。ニカラグアで目的地に辿り着ける人がいるって、本当にすごいことだと思うよ。

↑投稿についたコメント

私はニカラグア人。
アメリカに修士号を取得しに行った時のこと。
家の住所がどうしてあんなに短いのか理解できなかったの。だから、ルームメイトに聞いてみた。
ねえ、『図書館の向かいの、角の白い家に住んでます』って書かなくていいの?って。
そしたら彼女、「はあ?」って感じだったわ。

4. フェイク携帯

携帯はいつも2個携帯してる。
ひとつは実際に使ってる携帯で、バックパックの中に隠してる。バックパックを持ってない時はどっちかの靴下の中に(笑)
もう1個の携帯はポケットの中に入れて持ち歩く。それは5年前に壊れたまま修理してなくて使えない、強盗に遭った時に渡す用の『フェイク携帯』ってやつ。

この技は友達から教わったもの。 ギャングのメンバーに強盗されかけた時、携帯を寄越せと言われた友達はそのフェイク携帯を取り出して出来るだけ遠くへ投げたの。ギャングがその携帯を追い掛けていった隙に友達は逃げ、そいつが気付いた時には手遅れ。友達は警備員のいる店に駆け込んで助かり、警察に通報して貰った。

5. ベネズエラの場合

─水道の水が出るのは週に2回だけなので、裏庭のタンク一杯に溜めとかなきゃいけない。

─パン屋でパンはあるか尋ねる必要がある。

─みんなが銃を持っている(合法ではない)。

─安全の為、窓とドアには鉄格子。

─強盗にあった場合、その泥棒が警察官である可能性高し。

─行方不明者を見つけ出す為にみんな犯罪者に金を払う。

─未成年飲酒は普通のことと見なされていて、自分も高校時代に何度も酒を買い込んでたけど、誰も気にしてなかった。

─薬を買う時、10回のうち9回は近隣の国へ行かないといけない。

─11歳時に義務付けられているワクチンを子供に受けさせていないと、小6から中1に上がれない(今もそうなのかはわからないけど)。

─外出する時はパンツの中に携帯を隠さなきゃいけない。

─1ヶ月に自国通貨で購入出来るガソリンは120リットルだけ。もしそれ以上欲しい場合には30ドル以上払う必要がある。この国じゃほとんどの人の給料がドル払いじゃないにも関わらずね。

※投稿者はベネズエラ人

6. 医療

ここペルーでは(首都以外だと特に)、病院の診療予約を取るのに3ヶ月待つ必要がある(手術や実際の治療の場合は1年以上掛かることも)。何か起こった時の為に、と適当に予約を入れている知り合いがかなり沢山いる。

出血に苦しむならその日でないと、ユーカリ茶が効いてくれる事を祈らなきゃいけなくなる。

数年前に首都に移住する事ができて本当によかった。

7. 水道水

アメリカ人が水道の水をそのまま飲むのをテレビやその他のメディアで散々見てきたが、もしメキシコで同じことをやったとしたら、コレラもしくは何らかの奇病にかかる羽目になる。

8. 不平等

メキシコの場合:恐ろしいレベルの不平等さ

メキシコシティのベニート・フアレス区の人間開発指数がドイツに相当する一方で、同じメキシコシティのトラウアック区の人間開発指数はサハラ以南の国々に相当する。

メキシコシティは世界で最も裕福な都市のひとつである:GDPに関して言えばメキシコシティはパリと肩を並べるが、メキシコ南西部─グアテマラとの国境に近い一部の地域は、世界で最も貧しい地域の内に数えられる。

メキシコシティの『病院ゾーン』にある病院はワールドクラスの施設や医師を擁し、ハイレベルな医学研究で急先鋒に立つ一方で、南部の山岳地帯ではただの下痢が命取りになる。

メキシコシティ、モンテレイ、グアダラハラやプエブラのような大都市には私立・公立ともに、ラテンアメリカのベストランキングに入るようなとても良い大学があるが、同時に田舎の大部分では、コンクリートの床と電気照明のある学校を見つけられたらラッキーという状態だ。

9. エクストリーム道路横断

エジプトです……道を渡る事はここじゃ何らかのやべえスポーツみたいな感じ。

10. 不安定

開発途上の国々に住み、働いてた。いくつかの国はある特有の発展環境(ポストコロニアル、部族・集産主義、他社会と遭遇するのが非常に遅かった)を反映している。

ハイライト:

女性はカージャックに遭ってどこかに置いて行かれても助けを呼べるように、2台めの携帯電話をブラに入れて持ち運んでいる。

地元の町の中に、部族間の喧嘩により行けない箇所が定期的に発生する。

バカバカしい理由で公共サービスにアクセスできなくなる。ある時なんか、町に一台しかないカードプリンターが話題のスポーツイベントで使われるID作成の為に貸し出されたせいで、運転免許証を受け取るのに2ヶ月も待たないといけなかった。

みんな権力者は敵対者を呪う事でその地位を得たと深く信じている。

金銭に対しては「得やすいものは失いやすい」という姿勢。これは直感に反しているように思われるが、集産主義文化においてはお金を溜め込まないようにする傾向があり、右から左へ使ってしまう。金銭を管理するってことは、とにかくどんな方法であれ途中で自分に最も恩恵を齎すようにして一族に配布するということを意味し、自分の手元に置いたり、分け合うのを遅らせるという選択肢すらない。

町の水と電力は定期的に制限される。週のうち何日、もしくは一日のうち何時間、といった一定の使える時間があるかもしれない。

臭い。ゴミ収集は利用者負担だから、大勢がそのまま投棄したり燃やしたりしてる。

時に、ごく普通のサービスにアクセスするのが異常に難しかったりする。島に住む子供たちは学校に行くのに、二重にしたポリ袋に服を入れて泳いで行くこともあり得る。

寿命が短い。新聞は30代、40代の死亡記事で溢れている。

国全体が糸とダクトテープで繋ぎ止められているようなもの。軍隊は航空機を国へ戻す為のジェット燃料を実業家か政治家から借りる羽目になる。

夫は一度、公共機関のトップが大臣に電話を掛けるのに携帯電話を貸した事がある。そこの電話サービスが料金未納の為に止められていたからだ。

公務員は、出勤したら職場が賃貸料未納の為に閉鎖されているなんて事が定期的にある。みんな肩をすくめて帰っていく。

テレビサービスは、電気代が払われていない上に発電機に燃料を補充するのを誰もが忘れていたせいで何日も放送中止になる。

11. 爆音の理由

レバノンでは、爆音は以下を含むあらゆる事態が考えられる:

  • イスラエルの攻撃
  • 硝酸アンモニウム
  • 空港爆撃
  • 電力会社爆撃
  • 爆撃してきた機体からのアフターショック
  • 爆撃、もしくは化学爆発直後に発生するソニックブーム
  • 暗殺(過去20年の間だけで12件以上)の為に車に仕掛けられた爆弾が破裂
  • 隣のアブ・アリが息子の誕生を祝ってRPGに装填してる
  • 隣のアブ・アリがお気に入りの政治家がTVの生放送で語ってるからとRPGをぶっ放してる
  • 隣のアブ・アリが息子が昇進しただか試験に受かっただかでRPGをぶっ放してる
  • 隣のアブ・アリが、イトコが結婚するからとぶっ放した弾がアリにあたって死んでしまったのでRPGをぶっ放してる

※アラビア語でアブとは『~の父』ということで、どうやらアブ・アリだとアリの父親という意味になるようです。

タイトル通り、先進国に住む人間にとってはなかなか理解し難い日常生活の体験談ばかりで、日々生活の基本的なあれこれを当たり前に享受している事の有り難さに気付かされます。
投稿の中の『発展途上国という言葉が意味するのは貧困ではない。不平等だ』という言葉が特に印象的でした。
確かに何処の国にも格差はありますが、貧困層でも最低限生活の基礎に必要なものが手に届くのが先進国なんですね。
日本も貧しくなりつつある、将来的に先進国ではなくなる、などと言われたりもしていますが、世界に誇れる治安の良さと共にそこはずっと守っていきたいものです。

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